ぶらり散歩

夏目漱石誕生後から終焉の地までゆかりの地を巡るぶらり散歩

9月も終わり、今年も残りあと3ヶ月。
気温も涼しくなり、日も短くなってだいぶ秋めいてきました。

秋といえば、読書の秋!
ということで、文豪、夏目漱石のゆかり後を散歩することにしました。

みるみるランドの事務所は高田馬場にあるのですが、歩いて行ける距離に夏目漱石ゆかりの地があったんですね。

■漱石の散歩コース

今回散歩したのは、次のところです。

  1. 夏目漱石誕生の地
  2. 夏目坂
  3. 小倉屋
  4. 誓閑寺
  5. 漱石公園(終焉の地)
  6. 漱石山房記念館
  7. 神楽坂
  8. 相馬屋
  9. 善国寺(毘沙門天)
  10. 東京理科大学(旧東京物理学校)

1.夏目漱石誕生の後

まず最初に向かったのは、夏目漱石誕生の地です。
漱石がどんなところで生まれたのか、気になりますよね。

・場所と行き方

最寄り駅は、東京メトロ東西線の早稲田駅です。

高田馬場駅から歩くと、20分くらいかかりましたね。

2番出口を出て信号を渡って、夏目坂を右に曲がってすぐのところにあります。
小倉屋の隣にある、やよい軒早稲田店の店の前にあります。

「夏目漱石誕生之地」と刻まれた黒い石碑が立てたれています。

この石碑は、昭和41年に漱石生誕100年を記念して建てられたそうです。
新宿区指定史跡とされています。

・夏目漱石の誕生秘話

夏目漱石は、本名が夏目金之助(なつめきんのすけ)といいます。
1867年2月9日に江戸の牛込馬場下横町にて生まれました。
今から150年前のことです。
夏目小兵衛直克と千枝の末子(五男)です。

父親の夏目小兵衛直克は、高田馬場一帯を治めていた名主です。
かなりの権力を持っていて、生活も豊かだったそうです。
夏目漱石はボンボンのお坊ちゃんだったんですね!

夏目漱石誕生の地は、現在、喜久井町1番地にあります。
喜久井町という町名は、漱石の父親の直克が夏目家の家紋である「井桁に菊」にちなんで名付けたそうです。
誕生の地での幼少期の出来事は、大正4年に書かれた「硝子戸の中」に詳しく記されています。

2.夏目坂

夏目漱石誕生の地の前を通っているのが夏目坂です。
この通りは「夏目坂通り」と呼ばれていて、お店の名前やマンションの名前などにも使われています。
早稲田大学に近いこともあり、若い学生さんが多かったです。

ちなみに、夏目坂の名前の由来も、やはり漱石の父親である直克が命名したものです。
随筆「硝子戸の中」にも記されています。

「自分の姓を名付けて呼んでいたものが人々に広まり、やがてこう呼ばれ、地図にものるようになったという。」

3.小倉屋

リカーショップ小倉屋は創業1678年、江戸時代から320年続く老舗です。
夏目漱石の生家の隣にあった酒屋さんとして、随筆「硝子戸の中」でも記されています。

また、高田馬場の決闘に向かう堀部安兵衛が立ち寄って酒を飲んだことでも有名です。
このため、「吟醸酒堀部安兵衛」や「吟醸酒わせだ夏目坂」などが販売されています。

硝子戸の中では、「堀部安兵衛の枡は見ることが出来なかったが、小倉屋の娘の長唄を何度も聴いて育った」と書かれています。

4.誓閑寺

誓閑寺は、随筆「硝子戸の中」に出てくるお寺です。
硝子戸の中では「西閑寺」として、自宅すぐ近くの鐘の音について触れられています。

夏目坂の途中にあるこじんまりとしたお寺です。
普通の住宅地の中にあるので、場所をしっかり確認しておかないと見逃してしまいます。

境内の中も狭くてひっそりしているのですが、鐘は立派です。
区内最後の梵鐘として、区指定文化財とされています。
1682年に住民の寄進によって鋳造されました。

5.漱石終焉の地(漱石公園)

明治40年(1907)から大正5年(1916)に亡くなるまで漱石が過ごした家があった場所です。
敷地の一部は漱石公園となっていて、漱石の胸像や猫塚があります。

・漱石山房通り

漱石公園の前の通りは、電柱に設置されている街灯が猫模様になっています。
警備員さんが親切に教えてくれました。

これは確かに教えてくれないと気づかないですね。
漱石公園に行ったときは上を見上げてみてくださいね。

・漱石山房の記憶

漱石が晩年暮らした家は「漱石山房」と呼ばれています。
ここで「三四郎」、「それから」、「こころ」、「門」などの代表作を執筆しました。
「明暗」を執筆している半ばに世を去りました。

漱石は面会者が多かったので、木曜日の午後を面会の日と決めていました。
木曜会は漱石を囲む文学サロンとして、多くの門人が集まったそうです。

・夏目漱石の胸像

富永直樹さんによって平成3年に建立されました。
碑面には、「則天去私」の碑文があります。

・漱石の散歩道

漱石公園の入り口のところに、漱石の散歩道の案内板があります。
夏目漱石ゆかりの地についていろいろ解説されています。

ちなみに今回のみるみるランドの取材でも、この案内図をもとにぶらり散歩しました。

・道草庵

道草庵では、漱石や山房の資料が展示されています。

・猫塚

猫の墓と呼ばれる石塔で、漱石の没後に建てられました。
「吾輩は猫である」のモデルとなった福猫の13回忌となる大正10年9月に、漱石の長女・筆子の夫が造らせたものです。
昭和20年5月に空襲で漱石山房が焼失したときに損壊しますが、その残欠を利用して昭和28年に再興されました。

・漱石の写真

漱石の写真の隣には、公園での注意書きが書かれています。

6.漱石山房記念館

2017年9月24日、夏目漱石生誕150週年を記念して漱石終焉の地に開館しました。
漱石にとって初となる本格的な記念館です。

漱石がこれまで残した文学作品を多数蔵書、漱石に関する様々な資料が展示されています。
企画展示会や講座なども行われています。

まだ新しく開館したばかりということで、平日の昼間でも多くの人で混雑していました。

・開館時間

  • 4月~9月・・・8時~19時
  • 10月~3月・・・8時~18時

・休館日

  • 月曜日、(休日の場合は直後の休日ではない日)
  • 年末年始
  • その他設備維持のための臨時休館日

・観覧料(通常展)

  • 一般・・・300円
  • 小・中学生・・・100円

団体20名以上の場合、一般150円、小・中学生50円
障害者手帳をお持ちの方は、観覧料無料になります。

・サービス

授乳室、車椅子対応トイレ、障害者駐車場1台、車椅子対応エレベーター、貸出用車椅子、コインロッカー

・アクセスと最寄り駅

最寄り駅

  • 東京メトロ東西線早稲田駅:徒歩 約10分
  • 東京メトロ東西線神楽坂駅:徒歩 約15分
  • 東京メトロ有楽町線江戸川橋駅:徒歩 約20分
  • 都営大江戸線牛込柳町:徒歩 約15分
  • 都営バス(白61) 牛込保健センター下車:徒歩 約2分

※駐車場はないので、公共交通機関をご利用ください。

地図はこちら

近くにはいくつかの案内標識が出ています。

・カフェ・ソウセキ

記念館の隣には、カフェもあります。
猫をイメージした看板が可愛いですね♪

その他、イベントや詳細などは公式ホームページをご覧ください
⇒ 漱石山房記念館の公式ホームページはこちら

7.神楽坂

次に、早稲田通りを神楽坂のほうへ向かって歩いていきました。

神楽坂は、漱石の生家からほど近い場所にあります。
漱石の作品のなかでよく登場するし、漱石にもゆかりの深い場所です。

「坊っちゃん」の中でも登場するし、「それから」の主人公の家もこのあたりにあったとされています。
お見合いした漱石と鏡子婦人がすれ違ったのも神楽坂でした。

神楽坂は、オシャレなカフェとか雑貨屋さんが多いですね。
ぶらぶら散歩しているだけでも楽しいです♪

8.相馬屋

大久保通りまで来ると「神楽坂上」の信号があります。

この信号を渡って少し歩くと、地蔵坂の入り口付近に「相馬屋」という文具店があります。
相馬屋は、江戸時代から神楽坂で商売をしていて、神楽坂通りでは最も歴史のある老舗です。

江戸時代は和紙問屋として、徳川家や宮内庁の御用達でした。
漱石は、ここの原稿用紙を愛用していたんですね。
ちなみに、漱石以外にも北原白秋、石川啄木、坪内逍遥といった文豪たちも相馬屋の原稿用紙を愛用していたそうです。
⇒ 相馬屋の公式ホームページはこちら

9.善国寺(毘沙門天)

毘沙門さまの愛称で親しまれている善国寺毘沙門天。
漱石の作品では、「坊っちゃん」の中で縁日のエピソードで登場します。

毎月5のつく日に開かれてきた縁日は、現在は7月末のほおづき市のみが開催されています。

10.東京理科大学(旧東京物理学校)

「坊っちゃん」の主人公は、東京理科大学(旧東京理科大学)の卒業生という設定になっています。
明治39年に建築された校舎は復元されて、現在は近代科学資料館として公開されています。

創立125週年を記念して、東京理科大のイメージキャラクターとしても「坊っちゃん」が誕生しました。
また、「坊っちゃん」に登場するマドンナをモチーフにしてサブキャラクターとして「マドンナちゃん」も誕生しました。

■月が綺麗ですね

夏目漱石のエピソードで個人的に一番好きなのは、「月が綺麗ですね」というものです。

これは、漱石が英語教師をしていたころの話しです。
教え子が「I love you」を「我が君を愛す」と翻訳しました。
すると漱石は、日本人はそんなことを言わないと反論。

「月が綺麗ですね」と訳しておきなさいと言ったんですね。

さすが、日本を代表する文豪だけあって日本語の奥ゆかしさが感じられる表現ですよね。

■今回の記事のまとめ

夏目漱石って、日本人なら誰もが知っている文豪ですよね。
昔は千円札のお札に描かれていたほどの人物ですからね。
名作もたくさんあるので、普段読書しない人でも一度や二度は漱石の作品に触れたことがあるかと思います。

でも、漱石の生い立ちだったり、どんな生き方をしてきたのかを知っている人って少ないと思います。
今回こうしてゆかりの地を散歩してみると、漱石をすごく身近な存在として感じることができました。

散歩した後に漱石の作品を読んだら、きっとまた違った感動を味わえそうです。

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